北陸の結婚 お餅やお菓子にまつわる4つの“しきたり”

今しきたりに注目するカップルが増えてます。
結婚が決まったのをきっかけに生まれ育った土地や環境を見つめ直すことも多いはず。自分たちらしいと思える結婚式のスタイルに地元らしさを取り入れるのは実は自然な考え方なのかもしれません。地元で守り継がれた伝統や風習は結婚という家と家が結びつくことへの昔の人たちの素敵な願いや祈りの気持ちがぎゅぎゅっと込められた大切なもの。しきたりの良いところを上手に残しながら、今風に自由に楽しくアレンジするのもいいですね!今回は北陸のお餅やお菓子にまつわるしきたりをご紹介します。

北陸では、祝い事にお餅やお菓子はつきもの。餅は「はれ」の食べ物であり神様のお供えでは最高のものとされていました。そのため嫁の実家より嫁ぎ先や親類、ご近所への贈り物として餅が多く用いられてきたのです。結納の日にご近所や親戚に配ったり、結婚式当日に配るしきたりがある地域や洋菓子や、スナック菓子を配る地域も。

福井の饅頭まき

福井県では饅頭まき、菓子まきの風習があります。饅頭やお菓子等を花嫁を迎える新郎の家の2階の窓から盛大に撒き、親戚のみならず近所の人や全く無関係の通りすがりの人も受け取ることができます。 もともと饅頭は「万寿」とも書く吉事にふさわしい和菓子。お饅頭のかたちや大きさは地域によってさまざま。饅頭代にいくらかけたかで家の格が決まるとされ、親族からのご祝儀という形が一般的だそうです。

石川の五色生菓子

石川県の婚礼祝菓子、五色生菓子とは5種類の生菓子を詰め合わせたもので、御饗宴(ごきょうえん)菓子ともいいます。
5種の菓子が、それぞれ「日月山海里(じつげつさんかいり)」を表現しているといわれ「日」はこしあんが入った丸餅に、赤い米粉を上部につけたもの。「月」は白い皮のまんじゅう。「里」のイガラは、こしあんを餅でくるみ、さらに黄色く蒸した餅米をまぶしてあります。「海」はひし形のあん入り餅で、並べることで波を連想させ、「山」は円形の蒸しようかんで、水田を表しています。
慶長5(1600)年、2代将軍徳川秀忠の娘・珠姫が、3代加賀藩主・前田利常に輿入れしたときに、加賀藩の御用菓子屋の樫田吉蔵が、森羅万象を表す「日月山海里」をヒントに創作。前田家が金沢を去った明治期に、庶民の間でも婚礼時に五色生菓子を贈る習慣が根付いたといわれています。
生菓子は5種セットで重箱に20個入れられるのが一般的。その重箱5段ずつが大きなせいろに入れられ、かつては婚礼時に家の前に置かれて式典後に配られていました。

富山の針せんぼ餅

餅を贈る事が多い富山県では12月8日の針供養の時に贈る餅を『針せんぼ餅』と言い大きな大福が使われます。 娘が嫁いで初めての針供養に実家から嫁ぎ先へ、赤・白・青の色の桜の焼き印をした大きな大福が届けられます。 婚家ではこれを5個ぐらいづつ分けて親戚や近所に配る風習があります。 「大事な娘を可愛がって下さい」との実家の親の切なる願いを込めて贈る嫁の実家から初めてのお歳暮です。

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落ち着きの餅

金沢、富山の婚礼料理、落ち着きの餅とは紅白のお雑煮金沢、富山の婚礼料理、落ち着きの餅とは紅白のお雑煮のことを言います。

赤のお餅は新郎様、白のお餅は新婦様を表します。新婦様の白には白無垢と同じ嫁ぎ先に馴染みどんな色にもそまりますよう、そして末永く落ち着かれますように。そんなお祝いの意味や幸せを願う素敵な意味が込められてます。