神前式の儀式の一つ「三々九度(さんさんくど)」とは、新郎新婦がお酒を酌み交わす儀式のこと。
三々九度の盃は別名「三献の儀(さんこんのぎ)」「三々九度の盃(さんさんくどのはい)」「夫婦固めの杯」とも呼ばれています。
今回は三々九度の意味や流れ、やり方、そして作法や綺麗に飲むコツなどを徹底解説します*
【神前式】三々九度の「杯・盃」の意味は?
三々九度は大きさの違う三つの杯を使ってお酒を飲みますが、それぞれのサイズの杯は、現在過去未来….の時間軸を表す意味をそれぞれ持っています。
小さい杯:過去を意味するもの。先祖に向けた新郎新婦の巡り合わせの感謝の意味が込められている。
中くらいの杯:現在を意味するもの。二人で末永く、力を合わせて生きていく意味が込められている。
大きい杯:未来を意味するもの。両家の安泰(あんたい)と子孫繁栄の意味が込められている。
また、これらの三つの杯にはそれぞれ「人」「地」「天」を表しているという意味もあります。
【神前式】三々九度の流れ
次に、三々九度のやり方をご紹介します。
①巫女さんがお銚子から神酒(みき)を三回に分けて一つの杯に注ぐ
②三回に分けて神酒を口にする
③1と2を順番通りに繰り返す
《順番》
一の杯(小):新郎➡新婦➡新郎
二の杯(中):新婦➡新郎➡新婦
三の杯(大):新郎➡新婦➡新郎
三回に分けて飲むことにも意味があり、一口目は神へ、二口目は家族へ、三口目はゲストへの感謝と誓いが込められています。
飲むときは三回に分けて少しずつ飲む方法と、一口目と二口目は口をつけるだけで三口目に飲む方法があり、どちらの飲み方でもOK。
「三つの杯を使って、三回で注ぎ、三回で飲み、新郎新婦合わせて合計九回神酒を飲む」なので、三々九度と言われているんですね*
三々九度は全て割り切れない数字「奇数」を使っていることも、伝統的な儀式の特徴です。
また、合計九回飲むのが正式とされていますが、最近ではそれぞれの杯で最後の一回は省略され合計六回になることも多いそう。
神酒を一つの器で交互飲むことにより、固い絆を結び一生苦楽を共にするという誓いを意味しているそうです*
新郎新婦の絆を強くし、神や家族、ゲストへ感謝する儀式「三々九度」。
続いて三々九度を綺麗に美しく行うコツ、作法をご紹介します♩
三々九度を綺麗に行うポイント①杯をきちんと口まで持って行く
三々九度を行う前に先ず頭に入れておくべきことは、
「着物の袖が重いので、杯を口に持っていくのが大変」ということ。
先輩花嫁さんはみんな「和装って全然着ないから、裾が重すぎてびっくりした!」「腕を上げるに一苦労だった…!」と言っていました。
袖が重く、上に上げるのが辛いため、ついつい、お行儀悪く口を杯の方に持って行ってしまいがち。
口を杯の方に持って行くと猫背になってしまって、美しくありません。
本番はしっかりと腕を上げ、姿勢は真っすぐのまま口まで持っていきましょう。
三々九度を綺麗に行うポイント②指を揃える
三々九度を行うときは、指を揃えて杯を持つようにしましょう。
持ち方は、親指を手前にして残りの指は反対側。
親指以外の指と指の間に隙間が出来てしまったり、持ち方が違ったりすると綺麗に見えないので、しっかりと指を揃えることと持ち方を意識しましょう。
三々九度を綺麗に行う③神酒は飲み干さなくてもOK
最後にご紹介するポイントは、お酒が苦手な花嫁さんや控えている花嫁さんは神酒を飲み干さなくてもOKということ。
飲めない花嫁さんは少し口に含む程度か、口につけて、飲むポーズをするだけで、無理しなくても大丈夫です。
意味をしっかり理解して、美しい作法で三々九度に臨みましょう◎
神前式の儀式にはそれぞれ意味があり、きちんと意味を理解した上で、美しい作法で神前式に臨んでください◎
最近は、カジュアルな和装人前式でも「三々九度」の演出をすることがあるようです。
やり方は、基本的には神前式のそれを同じ*
きっと誰もが感動する、素敵な結婚式になるはずです♡