家から花嫁が出て相手の家に入る「嫁入りの儀」
婚礼の行事には地域によって様々な風習や文化が残っています。
花嫁の幸せを願いながら執り行われる行事をまた一つご紹介します。
花嫁道中・花嫁行列
前回の記事で「花嫁のれん」と「仏壇参り」をご紹介しましたが、今回は「花嫁道中」をご紹介します。
二~三十年前までは結婚式は夕方から夜通しかけて行われていました。
在所の中に花婿宅がある事が多く、式場と花婿の家まで花嫁姿で歩いて向かったのが始まりです。
花嫁が歩く時もあれば、籠(かご)や輿(こし)に乗ったり、馬の背に乗る事もありました。
花嫁のお供の人
花嫁のお供として介添えの他に、新婦のおば様が一人付き添いお手引きをします。
これは、花嫁より年上の年配女性が側にいる事で花嫁をより引き立てる役目と、もし道中新婦が粗相(そそう)をしてしまった時、身代わりになるという意味があるそうです。
他にも甥や姪、子供達がお供をするという地域もあるようです。
能登地方での風習「縄張り」
石川県の能登地方では花嫁道中の際に「縄張り」という風習がある事はご存知でしょうか?
新郎新婦の行列が通る道を、地域の人が縄をはって通せんぼするというもので、仲人が祝儀を渡して縄を解いてもらうという慣わしです。
これには「今後の苦難を乗り越えていく」「地域の人に受け入れてもらえるように」という意味が込められていて、縄の数が多いほど地域の人に迎えられている証とされているようです。
人気のロケーションとして
最近では人気のロケーションの一つとして、結婚式の当日に写真で残されるカップルが多い様です。
式を執り行う神社へ向かう姿や、金沢では人気のスポット「東茶屋街」で花嫁道中の姿が多くなりました。
結婚式に参列するゲスト以外に、観光客の方達からも「おめでとう」と祝福され、その場が幸せな空間に包まれます。
地域の風習も最近では見直され、結婚式に取り入れるカップルも多くなってきました。
結婚式で様々な行事を知ることで、嫁ぎ先の地域性を感じながら幸せな結婚式を挙げませんか?