北陸の婚礼文化 水にまつわる儀式

石川では「合わせ水 (あわせみず)」

昔から結婚式当日、挙式の前に花嫁が嫁ぎ先の玄関にて飲む水を「合わせ水」と言います。

花嫁の家の水を竹筒に入れて持参し、嫁ぎ先の水と実家の水をカワラケに同時に注いだ「合わせ水」を、花嫁が一口飲みます。するとご媒酌人婦人が、「両家の水に合いますように」と願いを込めて、素焼きの陶器のカワラケを地面に打ち付けて割ります。

福井・富山では「一生水(いしょうみず)」

嫁ぎ先の玄関で深々と一礼したあと、一升ますの中に杯が入っていてその中にお酒が入っています。花嫁はそのお酒を飲み、その杯は側にいるご媒酌婦人に渡し、杯をたたき割らないといけないという風習です。

一生水は、「一生この家の水を飲む」という誓いの意味があり、杯をたたき割るのは、「もう帰るところはない」という決意表明だとか。

最近は、この儀式をする方も少なくなってきましたが、北陸のいい婚礼文化を末永く受け継いでいきたいものですね・・・