花嫁のれんとは?
花嫁のれんは「ヨメノレン」と呼ばれ、花嫁が結婚式当日の朝などに嫁ぎ先の仏壇参りを行う際にくぐる加賀友禅の美しいのれんのこと。
その歴史も古く、幕末から明治にかけて、旧加賀藩とされる石川県と富山県西部で行われ、平成に入ってからは能登地方を中心に地域で受け継がれています。のれんには新婦家の家紋が染め抜かれています。
のれんが風になびくように婚家の家風に早くなびく(馴染む)ように、また仏壇参りの前にくぐることで頭についた穢れ(けがれ)を払うともいわれています。
使い方
のれんは婚礼当日、婚家の仏間の入り口に掛けられ、花嫁はそれをくぐって仏壇参りをした後結婚式に臨みます。
婚礼当日からお披露目の約一週間の僅かな期間のために個別制作され、新婦実家から婚家へ嫁入り道具の一環として贈られます。
母の花嫁のれん
結婚式当日、母が嫁いだときの花嫁のれんをくぐり花嫁は生まれ育った家を出ます。
のれんは母のものを娘が受け継ぐのではなく、その家に代々受け継がれていくものです。「後戻りできない」という花嫁の決意と覚悟を意味しているのです。
現代の花嫁のれん
しきたりや風習を重んじている七尾地方では、今でも婚礼には欠かせないものとして大切にされています。
発祥の地でもあった金沢では都会化し風習は薄れていますが、披露宴でのお色直しの入場でのれんをくぐって登場するなどカタチは変わっても受け継がれています。