治部煮は石川県の代表格でもある郷土料理で、江戸時代から続くともいわる歴史も古い料理です。客人へのもてなし料理として発展してきたことから、今でもおめでたい婚礼の席でふるまわれています。
由来
加賀藩前田家と親交のあったキリシタン大名が藩滞在の際に伝えた欧風料理であった説や山村で野鳥を使ってつくられた鉄鍋料理が武士のもてなし料理に昇華した説と起源は諸説あります。
鴨肉、すだれ麩、里芋、しいたけなどを甘い醤油味の汁で煮込み、とろみをつけ「治部椀」という平たいお椀に盛り付けます。わさびを添えるのも特徴で甘みのある味にアクセントとなります。
伝統工芸である椀と伝統料理が融合されたもてなし料理です。
名前の由来
- 野生の鴨肉を使用するため、フランス料理のジビエに因んで。
- 安土桃山時代、豊臣秀吉の兵糧奉公だった岡部治部右衛門が朝鮮から持ち込んだことに因んで。
- 材料を煮込むときに「じぶじぶ」と煮る擬音語から。
などなど、諸説あります。